あと少しで20代が終わる。
東京に出てきて、大学に行って、卒業して、会社に入って7年働いた。
その間に結婚して、太って、運動の楽しさを覚えて、痩せて、妊娠した。
引越しを2回した。司書の資格を取った。これまで経験したことのない、世界規模の異常事態にも立ち会った。
思い描いていた通りの20代だったかはわからない。
けれど、憧れていた編集の仕事に携わり、人前で歌も歌った。
この先ずっと一緒に過ごせると思える人にも出会えた。
そして今、一生に一度かもしれない「命を授かる」体験をしている。
こう振り返ると、充実した20代といって差し支えないと思う。
歳を重ねるにつれ、どんどん美しく魅力を増していく人々をたくさん知っている。
私もそうなりたい。いつまでも年齢不詳でありたい。
今後しばらくは、自分のことを忘れる人生を送ることになるだろう。
でも、自分のことばかり考えて終わる人生より、きっとおかしみも味わいも学びもあるだろう。
「人生は、理想と現実の妥協点を探る作業の繰り返し。でもそれは絶望ではない。むしろ希望である」
きっとこの先には希望しかない。
そう思って、30代を生きていく。